「恋愛と結婚の燃えつきの心理」を書いたアヤラ・パインズ氏の男女間の嫉妬に関する本。この分野の本って全然なくて、この本自体も廃盤になっていたので中古で取り寄せたのでボロボロです。結論、「なぜ嫉妬するのか?どう対処するか?」みたいな問いに対する答えが多めで、「嫉妬は治せるのか?」についてあまり核心に至る内容はなかったので、理解には役立つがさほど救いにはならない印象。
- 私たちは、嫉妬深い感情を完全にはコントロールできないかもしれないが、思考を変えることによって、感情が私たちをコントロールするのを阻止することはできる。
ロマンチックジェラシーとは
- 大切な関係、あるいはその本質を脅かすものに気づいた時の反応
- 嫉妬深さは、身長と一緒で平均に近い人が普通と言われ、少数が嫉妬深く、そしてまた少数が嫉妬深くない。どちらも嫉妬に対する反応の仕方が異なるだけで気が狂っている訳では無い。
- 「さまざまな欠点があるにもかかわらず愛されている」と考える人と「長所があるから愛されている」と考える人の違い。
- 両親がどんなに愛してくれていたとしても、時には空腹のまま放って置かれ、見捨てられたという恐怖を味わったはず。親の愛を独占するためには競争相手と張り合わなければならず、往々にして敗れている。
- あなたたちの愛の本質は何か、最初に惹きつけたものは何か。二人の関係がそれぞれに与える重要なものは何か
- 関係が脅かされた時の反応、脅威や損失は何か。想像による嫉妬だとしても、その焦点は何か。愛を失うことか、体面を失うことか、自分の価値を失うことか
- 嫉妬は、意識することによってのみ克服できる感情の爆発。核心に迫るにつれて、根拠のない期待、投影、羨望、自尊心の喪失、幼児期の恐怖と不安感などを発見する。
- 兄の数が多いほど嫉妬深くなりやすい?優位にある兄弟の存在が影響しているかも
嫉妬時の反応
- 嫉妬深い人は「大変強い」が多く、嫉妬深くない人は「いくらかある」が多く、その差は小さい。
身体的要素
- 空腹感
- 寝つきが悪い、熟睡できない
- 神経過敏で情緒不安定
- 動悸が速い
- 食欲がなくなる
- 掌の発汗、手の震え
- 頭に血がのぼる
- めまいがする
感情的要素
- 悲しみ
- 苦しみ・痛み
- 攻撃的になる
- 怒り
- 無力感
- 羨望
- 恐怖
- 屈辱感
認知的要素
- 劣等感
- 自分が可哀そうになる
- 自分を責める
- 独占欲
- 慎重する
- 疎外感
- 復讐心
- 挫折感
どんな時に嫉妬を感じるか?
- ①パートナーが、パーティの間ずっと、他の誰かといちゃついたり、親しげに踊ったり、その異性の関心を惹こうとしている
- ②パーティの間ずっと、他の誰かと踊っている
- ③パーティの間ずっと、他の誰かと話している
- ④あなたをパーティの席に残して、長時間にわたって姿を消す
- ⑤パーティの席にいて、ふと気づくとパートナーがどこにいるのかわからない。
- ⑥(同棲中)家の電話が鳴り、出てみると「間違えました」と言ったり何も言わずに切った
- ⑦パートナーに電話したら、話し中だった
- ①は必ず嫉妬を感じるはず。⑤〜⑦は感じない人が多い。(状況にもよるが)裏を返すと嫉妬深さの程度が分かる。
- 過半数は①を見たらそんな相手とは別れるレベル、②や③も嫉妬を感じる。他意のない会話であっても大抵の人は同じ反応を示すので、あなたは異常ではない。⑤〜⑦はちょっと強い。
嫉妬に対する反応
- ①34%相手とそれについて話し合う
- ②25%自分が傷ついていることを相手に知らせる
- ③22%無視しようと努める
- ④7%激しく抗議する
- ⑤5%家を出る
- ⑥5%他の方法でこたえる
- ⑦1%暴力でこたえる
嫉妬の原因
- A嫉妬の素質×B誘因となる出来事×C精神状態
A嫉妬の素質
- ①性格から来る自信のなさ
- ②メンツを失うことに対するおそれ
- ③ふたりの絆の弱さ
- ④疎外され無視されているという感情
- などの性格特性や、関係が抱える問題や他人とのかかわり
- 特に、相手がその関係に抱いている信頼と安心感
- 「私が嫉妬深いせいで嫉妬してしまっている」と考えると、性格に依拠するため変えにくいと認識してしまう。そうではなく、行動によるものと認知する
嫉妬の対処
一人で考え、話し合う
- ①嫉妬の原因は何か?(私を残して彼が外出していること、私といる時よりも彼と一緒の方が楽しそうであること、彼が不倫をしたこと)
- ②嫉妬の中心にあるものは何か?(ライバルへの羨望、見捨てられる恐怖、屈辱、関係への脅威、自我への脅威)
- ③なぜ嫉妬の特定の要素をそんなに激しく経験するのか?(幼児体験とかかわりがあるか、相手の好きなところにかかわりがあるか)
- →DESC法で伝える、ラブレターなどでもよい
- 自分たちの関係がいかに重要か、相手に示す
- 相手には、苦しんでいるパートナーのフィルタを通してみることで、つらいことを認識させる
- 最悪のシーンを想像して、毎日思い返すことで恐怖でなくなる
思考を変える
- 例)彼は私を愛してないから、こんなことをしたんだわ。私は持てない女なのよ。
→彼なりに相手してくれているのはわかってる。こんなことをしたのは、彼なりの理由があるんだ。 - 私はひとりぼっち。誰も愛してくれない。
→私はひとりじゃない。愛し合っている人たちがいる。 - これじゃ、あまりにツラすぎる。人生は生きるに値しない。
→辛いから、自分のために何かすてきなことをしよう。 - あまりに苦しくて自分のすることを抑えられない。
→苦しいけれど、意志を強く持って自分をしっかりと押さえている。この経験から何かを学びたい。
ABC方式
- 思考と感情がA→Cの順に発生しているようにみえるが、Bに原因があると捉える
- 例)「あのひとが私以外の女に興味を持つなんてひどい!がまんできないわ!」
A: Activating…あのひとが、別の異性に興味を示したリ親切にしたりする
B: Belief…ひどい、がまんできない、と捉える
C: Consequence…感情的な結果、激しい嫉妬を感じる。
AがCを引き起こしたのではなく、Bの不合理な考えが原因となっている。そんな不合理な考えをD(Disrupting)阻止する、例えばBを「こんな状態はどうしても気に入らない。私のためだけに生きてほしいのに、うんざり!」と変えることで、Cは嫉妬ではなく失望に変わるかもしれない - 裏切るような行動をした相手の弁護を書いてみる
- 嫉妬のきっかけになる行動リスト/相手にできる具体的な要望を列挙する(「私を信頼していると言ってほしい」など)